投資をしていると、ああ昨日買っておけばよかった。あの時買っておけば。株なんて買わなければ…。そう思うときが必ず来る。昼は国内の相場が、夜は海外の相場が、語り掛けてくる。ニュースを見れば経済情報が、xを開けば阿鼻叫喚が、youtubeを開けばキャッチーなサムネが待っている。
そんな誘惑から解き放たれていった過程を記録してみたい。
最初は何となく買って失敗した
資産形成の勉強をし始めたころ、youtubeで数多くの動画を見て経済知識を頭に叩き込んでいた時期がある。資産形成と株式投資は似たような位置づけになっていて、有象無象の投資チャンネルに出会うことができる。
- アメリカの雇用統計が~ だから買いです
- 政権交代が示す日本の未来は?
- 年末のS&P500指数は何ポイント目標です
投資を始めたばかりの頃は、こういう事を平然と語れる人にあこがれたものです。こういう配信を見ているうちに、今まで経済ニュースとは無縁だった私でも、少しずつ経済の仕組みが解った気になってくる。わかった気になると次に訪れるのは…、
あれ?これって今買えば儲けられるんじゃないか…という誘惑である。
最初に一度だけ個別株を買ったことがある。
その結果、買った次の日から株価が下がり始め、半年待っても戻らない。業を煮やして1万円ほどの損を確定させた。節約生活をしているなか、この損を妻に言うことはできなかった。4年も経っているから、もうこれは時効だろう(ごめんなさい)。
素人に毛が生えた程度のにわか知識では、猛者がひしめく株式市場でトレードをしたところで太刀打ちができないのである。
何かすごそうな人の予言が意味するもの
投資を始めて2年ほどして気づいたことは、
- 終わったことの解説をすることができる人は沢山いる
- これから起きることを予言できる人はいない
私はこれは真理と思っている。解説している人を見ると、憧れや尊敬の念を抱くかもしれないが、かといってその人の予言を信じてはいけないのである。
当て続ける人などいないし、外した時に責任を取ってくれるわけでもない。ただもちろん予言者たちも工夫をする。「上がる」という予言をしたとしても、0.5%上がっただけで的中と言ったりするし、時間軸は1週間なのか1か月後なのか、ぼやかしておいて保険を掛ける。
また、15分くらいかけてこういう話をする人もいる。
- こういう場合は、こういう理由で株価が上がります。
- 一方でこういう可能性もあり、その場合は株価が下がります。
- もしくはこの場合は、しばらく様子見になるかもしれません。
これは何か言っているようで、何も言っていない。聞くだけ時間の無駄である。
予言者はブロック
結局僕らに出来ることは、10年20年かけて資産を育てることである。それに気づいてからは予言者の話は意識して排除するようにしている。youtubeでは興味がない・お勧めに表示しない設定をするし、xはミュートする。
ただ、投資を始めたばかりの頃はこの辺の見分けをつけるのが難しかった。投資と投機の線引きが解らなかったが、今では一瞬で判別ができる。わかりやすいポイントとして、以下を目安としている。
- ビットコイン推し ⇒ 即ブロック
- FX推し ⇒ 即ブロック
- 個別の株式の論評(この会社が凄い!など) ⇒ 即ブロック
- 短期~中期の予測(これから上がる!など) ⇒ 即ブロック
- 金(GOLD) ⇒ 見ない
こうして情報を取捨選択し、目先の情報に踊らされないようになると長期投資家としてレベルアップした感がある(あとで気づいたことだが、これだけで長期投資家として80%完成しているのである)。
付かず離れず、平穏な心で投資に向かう。とは言っても、朝起きると相場を確認してしまう癖は治らないのだが…。
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